近所を自分で繁殖させたい時には、うまく稚魚を育てることがとても重要になります。

稚魚はちょっとした環境の変化などにも敏感なので、とても気をつけて飼育する必要があるからです。

そこで今回は、金魚の稚魚を飼育する際のポイントをご紹介します。

生後間もない時は様子を見る

金魚の稚魚が生まれてから特にエサをあげる必要はありません。

稚魚のお腹についているヨークサックの栄養分があるので、エサを食べることなく過ごすことができます。

だいたい3日くらいはエサなしで過ごすことができますし、その間は稚魚はあまり動くこともありません。

まだ泳ぎに慣れていないので、慣れるまではその場からほとんど動くことなく過ごしています。

その時には温度とエアーには注意が必要になります。

泳ぎがヘタなためにエアーの気流に巻き込まれていくので、だんだんと弱ってしまう可能性があります。

そのため、エアーの方には行かないように網などで境界線を作るなどの対策が必要です。

生まれたばかりの稚魚は体も弱いので、すぐに死んでしまうこともあります。

これは仕方がないことなので、必ず取り除いてあげましょう。

エサやりのポイント

ふ化した直後の稚魚は3日くらいはエサは必用ありませんが、その後はエサを与えることになります。

その際には稚魚のエサ用の物をあげると良いでしょう。

ポピュラーな稚魚エサとして、ブラインシュリンプという甲殻類のエサがあります。

稚魚よりも小さいエサを与えることがポイントです。

ブラインシュリンプをまずはふ化させます。

ペットショップで売られていますが、乾燥したものを売っているので自分でふ化させることが大切です。

1日程度でふ化しますから、すぐに稚魚のエサとして与えることができるでしょう。

そして、ブラインシュリンプをふ化させるために、28℃くらいの塩水に入れておきましょう。

生きているエサの方が稚魚も活発に動く様になります。

稚魚の量によって与える量も違いますが、ふ化をさせたブラインシュリンプはスポイトなどを使ってあげると調整もしやすくなります。

その他にもペットショップには稚魚用のエサとして、バウダー状のものや冷凍物などのエサが売っているので、好きなものを選びましょう。

水質管に気をつける

稚魚がふ化してから約1か月くらいまでは、体も弱い時期なので管理がとても大変な時期です。

特に泳ぎがまだうまく行かなかったり、体が弱かったりするので、この頃にはちょっとしたことで死んでしまうことが多々あります。

エアーポンプを弱いものにしたり、少し広い水槽ならば稚魚がそちらに行かないように隔離するために網で境界線を作ったりする必要があります。

エアーの気流に巻き込まれるだけで、いずれは死んでしまうので注意が必要です。

気流に巻き込まれないように水草などを多く入れてあげると、稚魚が隠れやすくなります。

またろ過装置は稚魚を吸い込んでしまうことがあるので、使わない方が無難です。

その為水質が悪くなる恐れがありますが、水質汚染の原因となる残ったエサなどは必ず取り除くことが大切です。

このひと手間を行うだけで、水質汚染もだいぶ抑えることができます。

1ヶ月目からのポイント

生後1ヶ月もするとだんだんと大きくなってきていますし、この頃になると泳ぎもだいぶできるようになっています。

しかしこの頃から問題なのは、稚魚同士で共食いをするようになってきます。

金魚は1年に1回程度卵を大量に産みますが、自分で飼育する時には数が多すぎる場合があります。

その時にはワザと共食いをさせて数を減らしても良いでしょう。

成長に差が出てくるので、大きい稚魚が小さい稚魚を食べてしまうことがあるためです。

泳ぎもうまくなってきたので、ろ過装置を取り付けても良い時期になりますが、まだまだ小さいので吸い込み口には必ず吸い込み防止の網などをとりつけましょう。

ある程度水流にも逆らって泳げるようになっていますが、小さい稚魚もいるので弱ってしまうこともあるからです。

水質にはいつも気を付けていなければいけないので、できるだけろ過装置を取り付けるようにしましょう。

3ヶ月目以降のポイント

この頃からだんだんと大きくなっていき、個体差も出てくる時期になります。

自分で育てる場合には、金魚の数に合わせて水槽の大きさを変えることもあるでしょう。

もう一つ水槽を増やすか、多すぎる場合には数を減らすようにしなければなりません。

できるだけストレスの少ないように、水槽には適正の数だけ入れて飼育することがポイントです。

5ヶ月くらいになるとほとんど成魚とは変わらなくなってくるので、この頃からはエサも成魚向けの物に変えても大丈夫です。

個体差もはっきりしてきますが、まだまだ水温や水質の変化には敏感な時期なので、こまめにチェックすることが大切です。

約1年くらい経てば体も強くなっているので、気を使って管理することがポイントです。

金魚の稚魚を育てよう

金魚の稚魚はかなり繊細な魚なので、飼育するにはとても気を使います。

1年の間はしっかりと管理をすれば、立派な金魚に成長するので、1年間は楽しめますし、またその頃になると新たに卵を産むのでそれの繰り返しができます。

個体差もはっきりしてくる約半年くらいまでは、選別も含めてしっかりと温度と水質管理をすることが、稚魚を育てる為のポイントとなります。