怪我や病気の治療をした猫は、術後にエリザベスカラーを付けるように指導されることがあります。

ですが、嫌がる猫も少なからずいて、どう対処すれば良いか迷う飼い主の方もいるでしょう。

猫によってどうして気になるのか、どれほど気になるのかは異なるため、対処方法も決して一つではありません。

今回は、猫がエリザベスカラーを嫌がる時の対処法をご紹介します。

初めは様子を見て

傷口を舐めてしまうと治りが遅くなってしまうので、エリザベスカラーは基本的にずっとつけておくものです。

初めのうちはストレスでイライラしたり、外そうとすることもあるかもしれませんが、猫は意外と順応性の高い生き物です。

そもそもエリザベスカラーを付けられないほど暴れる場合などを除いて、しばらく様子見をすることも大切です。

そして、様子見をする中で室内などに障害となる部分があれば取り除いてあげ、少しでもエリザベスカラー装着中のストレスを軽減することがまずは重要です。

エリザベスカラーの色・素材を変える

猫がエリザベスカラーを嫌がる原因は、視界の狭さや重さがあります。

術後渡されたエリザベスカラーが色つきの場合、透明なものに変えることで視界を少しでも広くさせてあげることができます。

また、硬い素材からソフトな素材に変えたり、重い素材から軽い素材に変えることで少しでも馴染みやすくしてあげてください。

なるべく気になる要素を排除することで、だんだんと慣れてくる場合もあります。

エリザベスカラーの外周をカットする・手作りする

エリザベスカラーの大きさが不適切な場合、ご飯を食べる場合などに邪魔になってしまい、ストレスに繋がります。

外したがる原因にもなるので、首を大きく動かせない範囲で外周を切り取ると良い場合があります。

また、既製品だとどうしても気に入るものがない場合、猫の好みに合う素材をベースに手作りしてしまうのも手です。

首を大きく回せないようにするという目的が果たせる形にさえできれば良いので、色々と工夫が可能です。

傷を直接隠してしまう

もし、服など布を身に着けることが平気な猫であれば、保護したい傷などを直接隠してエリザベスカラーを使わないという選択もあります。

犬猫用の服の他に、子供服などの再利用、紙おむつやネット包帯などが活用できます。

服などを着せたことのない猫でも、試してみる価値はあります。

また、猫用の術後服というものもあり、エリザベスカラーを嫌がる猫に向いています。

室内の環境を整える

付け心地が悪くなくても、エリザベスカラーをつけることによって普段気にならない部分でストレスを受けてしまう場合があります。

例えば、食事のしにくさや猫扉に引っかかってしまうなど、原因は様々考えられます。

もし、室内に普段は大丈夫だけれど、エリザベスカラーをしていることで物理的な障害になってしまうような場所などがあれば、なるべく取り除いてあげることがストレスなく術後経過を送るために大切になってきます。

寝床も同様です。

また、食事に関しても、ご飯を台に載せるなどしてエリザベスカラーが床に当たらないような工夫をすると良いでしょう。

前もって慣れさせておく

少し面倒ではありますが、いずれ手術をすることが決まっているようであれば、事前にエリザベスカラーを買ってしまって慣れさせるという方法もあります。

術後であれば、「傷も気になる」「エリザベスカラーも気になる」、といった状態になってしまいますが、この方法であればエリザベスカラーのストレスだけで慣れていくことが可能です。

いきなり付けっぱなしなどにしてしまうと良くないので、ご飯のときなど他に気が向きやすいタイミングや睡眠時などを利用して、数時間ずつ試していくと良いでしょう。

また、この期間で気に入る素材や形状も確認できるとより良いです。

獣医さんに相談する

獣医さんであれば、エリザベスカラーを嫌がる猫の相談なども受けているはずなので、何かしらのアドバイスがいただけるかもしれません。

特に、エリザベスカラーが原因で体調にも影響が出ているときなどは、なるべく早く相談した方が良いでしょう。

術後の時期によっては「もう取ってもかまいませんよ」と言われることもあります。

ストレス解消と傷の完治を両立できる方法を採ろう

これらがエリザベスカラーを嫌がる猫への対処として、大切で取り組みやすいことかと思います。

何より術後の猫にとって大切なのは、ストレスを与えてしまわないことです。

一方で、嫌がるからとエリザベスカラーをせずにいて傷口を舐めてしまうと治りが遅くなってしまいます。

両方をきちんと満たしてあげられるような、それぞれの猫に合わせた対処をしてあげましょう。