みなさんは「パグ」という犬種をご存知ですか。

内田恭子さんや坂上忍さんらが飼っていることで有名な小型犬です。

鼻がぺちゃんこに潰れていて、その様子がとんでもなくキュートな犬種です。

その愛らしい見た目から、人気の犬種の一つなのですが、実はその鼻のせいでかかりやすい病気があります。

そんな病気になってしまったらどうすれば良いのか。

パグと暮らすうえで知っておくと便利な情報をご紹介します。

鼻を鳴らして呼吸している時

パグの最も有名な病気と言えば、外鼻孔狭窄症です。

これは、短頭種気道閉塞症候群とも呼ばれ、パグの他にもペキニーズ、シー・ズー、フレンチ・ブルドッグなどの、鼻が短くてぺちゃんこになっているタイプの犬種によく見られる先天性疾患(生まれつきの病気)です。

この病気にかかると、鼻の穴が狭くなってしまうせいで、呼吸が非常にしづらくなってしまいます。

そのせいで、鼻を鳴らしながら呼吸をしたり、まるで走り回った後のような口を開いた激しい呼吸を、運動もしてないのにしたりしてしまいます。

あまりにも苦しい時には、肛門を開閉して空気を取り込もうとしたりすることもあります。

子犬の内はこの病気をもっている子でも大きくなれば治ることが多いのですが、治らない子もいます。

そういった子は外科手術で鼻の穴を大きくしてあげなければいけないので、一歳を過ぎても、鼻を鳴らして開口呼吸を続けている子は、動物病院に連れて行ってあげてください。

カエルの鳴き声のような呼吸をしている時

パグによくある呼吸の病気として、軟口蓋下垂というものがあります。

夏に起こりやすかったり、さきほどの外鼻孔狭窄症に続発したりする病気です。

この病気は、口の中の上部の粘膜、人間でいうところの「のどちんこ」のような部分が下の方に下がっていき、気道(空気の通り道)をふさいでしまい、呼吸がしづらくなるものです。

この病気も短頭種に起こりやすい病気なのですが、軟口蓋下垂の犬は呼吸音に雑音が混じり、カエルの鳴いているような呼吸音になります。

また、寝ている時に苦しそうであったり、呼吸が止まってしまう事もあります。

こちらも生まれつき起こる病気であるとも言われていますが、太って脂肪が多くなってしまうと余計に気道を塞いでしまって苦しくなってしまいますので、体重管理には十分注意しましょう。

あまりにひどいときは、外科手術で気道を塞いでいる部分を切除しなければいけないので、動物病院で獣医さんに相談してください。

ガチョウのような鳴き声でせきをしている時

気管虚脱という病気があります。

この病気は気管がへしゃげてしまって肺へ空気が送りにくくなってしまう病気です。

気管とは口と肺をつなぐゴムホースのような管で、ここがふさがってしまうと肺に空気が送れなくなってしまいます。

この病気も小型犬や短頭種によく起こる病気で、特に六歳以上の肥満犬または幼犬に多いと言われています。

気管虚脱の原因は先天性の他に神経系の異常、グリコサミノグリカンやコンドロイチンの摂取不足、気管支炎などの説があります。

気管虚脱は呼吸困難になりガチョウの鳴き声(ガーガーのような音)の乾いたセキをしたり、吐き気を催してエッエッとえづくことがあります。

気管虚脱はセキをおさえる薬や気管支拡張剤の投与が必要なので、必ず獣医さんに見てもらいましょう。

また、肥満の改善や首輪を胴輪にすることで呼吸が楽になります。

鼻のしわには注意

パグのような短頭種の犬は、鼻の周囲に奥深いしわがたくさんあります。

そのために、しわの中に汚れや汗のような分泌物が非常に多く溜まります。

そうすると、しわの中で色々な微生物や細菌、寄生虫がどんどん繁殖していしまいます。

その結果、細菌性膿皮症や毛包虫症のような皮膚病になってしまいます。

細菌性膿皮症はブドウ球菌のような普段から皮膚の上にいる細菌が増殖して、皮膚に炎症を起こす病気です。

この病気はとても痒くなるので、炎症を起こすだけでなく、犬が患部を掻いて傷つけ、更に感染症を引き起こすというような悪循環を起こしてしまいます。

毛包虫症は、犬はもちろん私達の顔にも住んでいるニキビダニという寄生虫によって起こされる皮膚の病気で、患部が脱毛したり黒ずんだりします。

実はこちらはあまり痒くありません。

どちらにせよ、皮膚を清潔にしておくことが予防には大事ですので月に一回ぐらいは、鼻のしわの間を洗って清潔にしておきましょう。

ただし、あまり洗いすぎると、人間と同じで皮膚の外部に対するバリアがなくなってしまいますので洗いすぎにはご用心を。

パグ特有の病気のケアをしよう/h3>

犬には700から800の犬種がいると言われていますが、パグに限らず、全ての犬種には特徴があり、かかりやすい病気があります。

そういった特徴を知っておき予防することで、犬も幸せに生きていくことができるはずです。