魚を飼育するに当たって必要不可欠なろ過フィルターですが、種類が色々あり過ぎて何を選んだら良いのか、正直分からない人は多いのではないでしょうか。
水の汚れを取り除くことを目的とした機材ですから、より良い物を選びたいですよね。
様々な種類のあるろ過フィルターですが、何を飼育するかによって選ぶものは変わってきます。
それぞれの長所もあれば短所もあり、その水槽の目的に合ったろ過フィルターを選ぶ必要があります。
そこで、それぞれの目的に合ったフィルターの選び方についてご紹介します。
生体メインならば上部ろ過
もしもあなたが、魚をメインにしてアクアリウムを始めるのであれば「上部ろ過フィルター」をオススメします。
上部ろ過フィルターとは水槽の水を汲み上げて、水槽の上部に設置してあるろ過槽で汚れを取り、水槽に戻すろ過フィルターの事です。
上部ろ過フィルターの長所は、何といってもろ過能力の高さと酸素供給能力です。
水槽上部に設置されたろ過槽には比較的多くのろ過材を入れる事が出来るので、物理ろ過、生物ろ過の両方を兼ねる事が出来ます。
また水が空気に触れる面積が大きいので、酸素供給能力も高めで、メンテナンスも楽です。
短所としては、モーター音が大きく、水槽の上部を覆うためインテリア性は低くなります。
またライトの光が水槽全体に行きわたり辛くなるので、水草の育成がし難くなります。
その為、水草育成やインテリア性を重視するのであれば別のろ過フィルターにした方が良いかもしれませんが、魚の育成に力を入れたい場合は上部ろ過フィルターは便利で使い勝手が良いです。
インテリア性重視ならば外部ろ過
水槽をインテリアとして設置したい、と外観を気にするようであれば「外部ろ過フィルター」が良いでしょう。
外部ろ過フィルターはパイプで水槽の水を汲み上げ、外部にあるろ過槽で汚れを取り、水槽に水を戻します。
水槽内にはパイプしか設置する必要がなく、ろ過槽を収納する事が可能な為、全体的に見栄えの良く、インテリア性が高まります。
またろ過槽が他に比べて大きいので、ろ過能力も高く音も静かです。
短所としては、ろ過槽が密閉されている為、酸素不足になり易く、メンテナンスも少し面倒になります。
またろ過槽を収納するスペースが必要になりますので、水槽の置き場所を選びます。
しかし密閉されたろ過槽は二酸化炭素を逃がしにくく、水槽上部もスッキリするので、水草の育成には向いています。
インテリア性を重視される方や、水草育成をメインに行いたい方には外部ろ過フィルターをオススメします。
ろ過能力の高さならば底面式ろ過フィルター
底面式ろ過フィルターは、水槽の底に敷いて使うフィルターです。
底砂をろ過材にして水を下から吸い上げる為、ろ過能力が非常に高く、インテリア性も損なわない造りをしています。
値段も安価で、上部ろ過や外部ろ過と連結させる事も可能な為、応用範囲が非常に広いのも特徴です。
短所としては、底砂をろ過材にする為、砂が汚れやすく、メンテナンスも面倒な事です。
また水槽の底に水流が発生するので、水草育成をする場合は肥料を与えにくく、一度設置すると取り外すのが面倒と言う短所もあります。
しかしメンテナンスの悪さを抜かせば、ろ過能力、インテリア性、値段、静音性の高いバランスのいいろ過フィルターと言えるでしょう。
小型水槽ならば外掛け式ろ過フィルター
水槽の縁に取り付ける事で使える、外掛け式ろ過フィルターは、手軽でメンテナンス性も高い物が多いです。
値段も安価で場所も取らないので、小型水槽向きのろ過フィルターです。
短所としては、ろ過槽が小さく、ある程度の改造をしなければろ過能力が低い事が挙げられます。
また水流が強い為、小型魚飼育には向かないでしょう。
外掛け式ろ過フィルターは、小さな水槽でコストを抑えた飼育をしたい場合に向いています。
簡単で良いなら投げ込み式ろ過フィルター
投げ込み式ろ過フィルターは、水槽の中に直接入れて使うろ過フィルターです。
値段が非常に安価で、エアレーション機能を兼ねたものが多い反面、造りが非常に簡単で、ろ過能力も低いです。
また直接水槽に入れる為、水槽内のインテリア性が損なわれやすくなります。
投げ込み式ろ過フィルターは、元々あるろ過フィルターの補助として用いた方が良いでしょう。
水槽に最適、オーバーフロー水槽
オーバーフロー水槽とは水槽の下に独立したろ過槽を設置した水槽の事です。
非常に大きなろ過槽を用いる為、ろ過能力の高さはピカイチです。
また用途によって様々な機材を取り付ける事が可能である為、酸素供給、温度管理、水質維持等を同時に行え、拡張性も高い非常に高性能なシステムとなっています。
しかも使う機材は全て水槽下のキャビネットに収納できるため、見た目もスッキリとしていてインテリア性も非常に高いのも特徴です。
現在アクアリウムに置いて、オーバーフロー水槽を凌ぐ性能のろ過器は無いと言ってもいい程高性能で、飼育の難しい魚でも、飼育可能な環境を整える事が出来ます。
短所を挙げるとすれば、やはり値段が高い事が挙げられるでしょう。
大規模な機材であるため値段が掛かります。
また水槽の重さ+機材の重さでかなり重くなる為、床の補強が必要になります。
またオーバーフロー水槽は拡張性が高い反面、ある程度の知識と工作技術が必要となるので、初心者の方には扱いが難しくなります。
オーバーフロー水槽は高いろ過能力が必要となる海水魚やサンゴ、大型魚などを飼育する際に用いられる事が多く、90㎝から120㎝を超える大型水槽を使う場合にも便利です。
ろ過器は目的に合わせて選ぼう
ろ過フィルターと一口に言っても、様々な種類のものがありますよね。
ろ過フィルターを選ぶ際は、自分がどんな目的でアクアリウムを始めるのかを基準にしましょう。
魚をメインに飼いたいのか、水草やサンゴを中心としたいのか、はたまたその両方なのか。
掛けられる費用は幾ら位になるか、それらによって使うろ過フィルターは違ってきます。
また商品によっては、そのろ過フィルターの欠点を補った物もありますので、購入する際は商品の特徴を加味してから決めると良いでしょう。