【トキの特徴】生態・見た目・減少の原因について知ろう

最終更新日:2016年10月5日

絶滅危惧種に指定されているトキは、佐渡市の「市の鳥」にも指定されており、「日本を代表する鳥」とも言われます。

ニュースなどにも度々登場するこの鳥の事を知っている方は多いとは思いますが、絶滅危惧種という希少さも相まって、詳しくトキの事を知らない人が大半でしょう。

トキとはどういった鳥なのかご紹介します。

1.トキは減少している

今でこそ絶滅危惧種の指定を受けているトキですが、かつては東南アジアを中心に広く分布していました。

19世紀前半頃までは日本でもごくありふれた鳥であり、江戸時代は鷹狩の主な獲物になるなど、別段珍しいわけでもない鳥だったようです。

しかし19世紀の後半から20世紀頃になると、徐々にその姿を消していきました。

トキが減少した理由として最も有力なのは「乱獲による減少」と言われています。

かつて狩猟は大名などの上流階級の嗜みでしたが、明治に入ると庶民にも狩猟が解禁され、それに伴ってトキの乱獲が始まったと言います。

トキの肉は滋養強壮に富み、美しい桃色の羽は装飾品にと大変な需要があった為に集中的に狙われるようになったようです。

また明治に入り、土地の開発が進んだことで住処を奪われたことや、田んぼを踏み荒らす害鳥と認識されていたことで、盛んに駆除されてきたことも原因の一つでしょう。


2.トキの見た目

トキはペリカン目トキ科の鳥で、上記したようにかつては東南アジアを中心に広く分布していました。

日本では北海道から琉球半島の田園地帯でごく普通に見られた種で、体長70~80㎝程度の中~大型の鳥に分類されています。

朱色の顔と下方面に湾曲したクチバシ、長い冠羽が特徴的で、同じペリカン目トキ科の鳥類とは異なり、脚や首が短いのも特徴です。

羽毛は全体的に白色をしていますが、翼の下辺りの羽は薄桃色をしており、繁殖期になると首筋から出る分泌物で体色が黒っぽくなります。

雌雄によって目立った相違点はないので、ぱっと見の判断はつき難いですが、体の大きさやクチバシの太さ等に若干の違いがあります。

雄は雌に比べて体が大き目で、クチバシも太く、顔の朱色の部分も広いという特徴があります。

3.トキの生態

トキは主に田園地帯をエサ場とする鳥で、カエルやザリガニ、昆虫など食べる雑食性ですが、動物食性が強い傾向があります。

ペリカン目の鳥類に違わず、長いクチバシで泥の中の生き物を捕食し、ごく稀にではありますが植物を食べることもあります。

またトキは、薄桃色の羽と優雅な飛び姿からは想像もできませんが、カラスのような濁った鳴き声をするようで、群れを成すと非常にうるさかったそうです。

トキの繁殖期は春から夏にかけて行われ、集団で繁殖行動を行う習性があります。

この習性があった為、トキの人工繁殖は難航したとも言われています。

またトキは雄が卵を温めて孵す習性もあり、外敵が近づくと子育てを放棄してしまう習性も人工繁殖が難しかった理由の一つに考えられるでしょう。

トキは非常に人懐こく、特に親から離れた個体はその傾向が強いようで、最後の日本産のトキである「キン」が素手で捕獲されたのは有名な話です。


4.トキの性格と寿命

トキは雌雄によって性格が異なり、オスは食欲が非常に旺盛で、攻撃性も強い傾向にあります。

それに比べて雌はあまり食欲が強くはなく、大人しくて臆病な傾向があるようで、雄が人に馴れ易いのに対して、雌は人に馴れにくいようです。

また雌雄関係なしに、トキは警戒心が強く、繊細でデリケートな性格をしています。

環境の変化やストレスに弱く、佐渡のトキ保護センターでもストレスが原因とされる異常行動が数多く見られたと言います。

特に繁殖期のトキは非常にデリケートで猜疑心が強く、エサ場に人間が近づくと直ぐに立ち去り、数日の間近寄らないこともあったそうです。

しかしトキがまだ沢山いた頃は今とは違った性格をしていたと言います。

元々トキは雌雄共に大人しくて人に懐きやすい性格で、人の手からエサを貰うことさえあったそうです。

しかし、長年の乱獲が原因で、今のように神経質で警戒心の強い性格になってしまったのではないでしょうか。

今の日本には野生のトキはいませんので、自然界での寿命は不明です。

最後の日本産のトキである「キン」は36年、1995年に死亡したミドリは推定で20年以上生きたようです。

飼育下だと野生よりも長生きすることが通例ですので、野生のトキは推定で15年前後ではないかと予測されます。

トキについて詳しくなろう

トキは1926年に本土では絶滅し、2003年には最後の日本産のトキである「キン」が死亡したことで、「日本のトキ」は絶滅しました。

現在分かっているトキの特徴や生態などは、主に保護されてから観察されたものがほとんどです。

特に雌雄の違いなどは、野生のトキを観察することができない今となっては、不明な点や信憑性に欠けるものも多いです。

かつてのようにトキがまた野鳥として普通に見られるようになってくると良いですね。

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