うさぎはなかなか繊細な生き物で、ちょっとした変化が体調に異変をきたすことがあります。

また、それほど強く人間とスキンシップを求める動物でもないので、なかなか私たち飼い主も、異変に気が付いてあげられなかったりします。

ですので、何気無い変化から、その変化に気が付いてあげられるようにしたいものです。

今回は、うさぎが水を飲まないときに考えられる原因についてご紹介します。

1.うさぎはあまり水を飲まない

まず初めに、そもそもうさぎはあまり水をたくさん飲む動物ではないといわれています。

「うさぎは寂しいと死んでしまう」ということが、まことしやかにいわれたりします。

しかし、水をあまり飲まないというのは、あながち間違っているわけではありません。

そのため、初めてうさぎを飼うときには、少しびっくりしてしまうかもしれません。

しかし、必要以上に心配することはありません。

もちろん、うさぎにとってまったく水が必要ではないというわけではありません。

また、水を飲む量も、同じうさぎでもかなり個体差があります。

まったく水を飲まないような場合には、少し注意して観察してみる必要があります。

2.野菜からの水分でじゅうぶん

犬は散歩から帰ってきたあとには、必死に水を飲んだりすることがあります。

しかし、それに比べると、うさぎが飲む水の量というのはかなり少ないです。

では、この違いは一体どこからきているのでしょうか。

この体質の違いは、犬とうさぎの食生の違いというのが大きく関係しています。

うさぎは多くの人がご存知のように、草食の動物です。

新鮮な野菜をむしゃむしゃもぐもぐ食べているイメージがありますよね。

こうした野菜には多くの水分が含まれています。

そのため、うさぎは野菜からの摂取できる水分で、必要な水分のほとんどが補えてしまいます。

3.体温調節のために水は必要

こうしたうさぎの食生や、生態により、あまり水を飲まないといわれるようになったようです。

しかし、野菜からの水分を必要としているように、水分はやはり大切なものです。

特にペットとして飼われるうさぎは、必ずしも必要量の野菜や草が食べられているわけではありません。

多くの人は、エサのコストや保管の便利さなどもあり、ペレットなどを使っているでしょう。

乾燥したフードを与えている場合には、やはり飲み水で水分を確保する必要性がでてきます。

また、うさぎは汗による体温調節がほとんどできません。

暑いときには、水を飲んで体温を下げることが必要になります。

ですので、水をほとんど飲まない場合には、何かしらの異変をきたしている可能性があると考えるのが普通です。

4.環境の変化

ここまで説明してきたように、うさぎは普段からそれほどたくさん水を飲む動物ではありません。

そのため、水を飲まなくなったり、飲む量の変化に気が付きにくいかもしれません。

うさぎは、普段からそれほど水飲みや給水機からの水分補給を必要としていません。

しかし、だからこそ些細な環境の変化で、水を飲まなくなることがあります。

ですが、多くの場合には飲まなくなるというよりも、戸惑ってしまったりするという状況に近いようです。

最近になって、給水機を変えたり、取り付け場所を変えたりしていませんか。

また、給水機からでる水の量は少なすぎたりせず、適切になっているでしょうか。

平らな水飲みから給水機に変えたりしたときには、飲み方に戸惑っているのかもしれません。

5.ストレスによる影響

給水機のような直接的な環境の変化以外にも注意が必要です。

というのも、あまり人に懐く動物ではありませんが、うさぎはストレスには敏感な生き物です。

そのため、ちょっとしたことで食欲がなくなったり、水を飲まなくなることがあります。

水を飲む量に気が付きにくくても、食欲の変化は顕著に見えるでしょう。

うさぎは多くの水分をエサから補給しているので、そのエサを食べなくなるのはかなり深刻な状態です。

また、おしっこの回数や量が少ないときには、水分が足りていない目安になります。

ペットのストレスというのは、どんな動物でもなかなか見分けるのが大変なものです。

ですので、早い段階で気が付いて、病院に連れていくのが大切といえます。

6.甘いものを薄める

うさぎがまったく水を飲まなくなってしまったときには、やはり体調不良を疑いますよね。

しかし、普段から水をそれほど飲まないうさぎの場合には、その判断が難しいということがあります。

ときには、体調が悪いわけはなく、水に対する興味をなくしているのかもしれません。

もともと水をたくさん飲む動物ではないので、水を飲むという習慣をつけさせるのも必要です。

ドライフードを与えている場合には、あまりに飲まない状態が続くと脱水症状を起こしてしまいます。

そのために、少し水に甘さをつけて飲ませるのが有効でしょう。

そういうときには、ブドウ糖や、りんごジュースを薄めて与えてみましょう。

甘さに興味をして見て水を飲む場合には、少しずつ薄くして水を飲ませるようにしましょう。

うさぎが水を飲まない理由を考えよう

犬や猫の様子を知っていると、うさぎがあまり水を飲まないと不安に思うかもしれません。

しかし、このように、ガブガブと水を飲む動物ではないことは知っておいた方が良いでしょう。

その上で、水を飲む量や排尿の様子から、本当に体に異変が起きているかどうかを判断しましょう。

ペレットなどを与えている場合には、水を飲まないと脱水症状を起こす可能性があります。

甘さにも興味を示さないときは、獣医師さんに相談してみましょう。