フワフワとした毛並みも愛らしい魅力のハムスターですが、様々な原因によって脱毛してしまうことがあります。

ここでは考えられる原因と、その後のケアについてご紹介します。

脱毛箇所の皮膚をチェック

脱毛箇所と、その周辺の肌をよく見てください。

健康なハムスターの皮膚はキレイな薄ピンクですが、赤くただれてリンパ液が出ていたり、引っ掻いたような傷があれば、痒みを伴う皮膚疾患の可能性があります。

ハムスターが脱毛箇所やその周辺を気にするような仕草を頻繁に見せているようであれば、その行動を観察しておいて、病院に連れて行った際に医師に症状を詳しく説明できるように準備しておくことも大切です。

物を言わないハムスターは、仕種や行動で私たちにヒントを与えてくれることが多いですから、しっかり観察して気持ちを受け取ってあげましょう。

隠れ家の汚れをチェック

ハムスターのケージはキレイにお掃除されていることと思いますが、外で遊ばせた際にハムスターが作った隠れ家は確認していますか?

ハムスターは自分が気に入った場所を複数、隠れ家にしていることあります。

それらの場所は、私たち人間が思いつかないような狭い場所であることが多く、掃除が行き届いてないところもあります。

そういった場所で知らず知らずのうちに、埃やアレルギー物質がハムスターの体に悪影響を及ぼしている可能性もありますから、普段目が届きにくい場所もきちんと掃除してあげることが、皮膚疾患の予防の一つだと考えるのも大事なことです。

ストレスが原因の脱毛

実際にハムスターも人間と同様に、ストレスから脱毛することがあります。

ストレスの原因は様々ですが、個人主義なハムスターにとって考えられる原因の一つに、私たち人間が構いすぎているということがあります。

可愛いハムスターとはたくさん触れ合いたいと思いますし、撫でたり抱っこしたり、可愛がりたいと思うのは当然です。

しかし、個人主義なハムスターはそれをストレスだと感じることもあります。

可愛がることがストレスとは意外なことだと思われるかもしれませんが、普段ハムスターとどのように接してきたか思い出してみてください。

そして、思い当たることがあれば、今はハムスターの気持ちを第一に考えて、過度に接するのを控えてあげましょう。

気にしすぎもストレス

人間もそうですが、環境の変化などで一時的に脱毛することがあります。

その場合、本人というよりも周りが気にしすぎていると、それが余計なストレスとなり脱毛が広がってしまうこともあります。

ハムスターの場合も、皮膚疾患の可能性がなく本人もそれほど気にしていない様子でしたら、私たち人間も気にしすぎないことが大事です。

様子を見たい気持ちもありますが、脱毛箇所を触り過ぎたりすると、それがかえってハムスターのストレスに繋がってしまうこともあります。

本人がのんびり構えているようでしたら、飼い主さんはそれ以上に大らかな気持ちで構えてあげてください。

薬がストレスになった場合

ここまでは考えられる原因を挙げてきましたが、次は診断が下された後に考えられることを書いていきます。

皮膚疾患と診断されて薬をもらった場合、多くは塗り薬が処方されますが、べたつく塗り薬はハムスターにとって大変なストレスです。

薬を塗るときからひどく嫌がったり、すぐに舐めてべたつきを取ろうとすることも多々あります。

そういうときは、無理に薬を塗るのを止めて、ケージの中などハムスターが落ち着ける場所へ戻してあげてください。

ぬるま湯で濡らした脱脂綿を軽く絞って患部を優しく拭いて清潔にしてあげて、薬は塗れるときに塗れれば良い、それくらいの気持ちで根気よくハムスターと向き合っていきましょう。

他の病気が隠れていないか確認する

ここで病気によるストレスについて書いておきたいことがあります。

普通、脱毛を見つけると疑うのは皮膚疾患とストレスですが、それでは何故ストレスが溜まるような状態になっているか考えてみましょう。

その一つに、他の病気が隠れているということがあります。

特にメスの場合は子宮蓄膿症にかかる可能性があり、症状が進むと患部から膿が出ることもあります。

これに限らず、病気による不快な症状があればストレスが溜まるのは当然のことです。

何をしても脱毛が治らない場合は健康チェックを兼ねて、皮膚疾患以外の病気が隠れていないか、専門の医師に診察してもらいましょう。

シャンプーやブラッシングの一時中止

ハムスター用の粉シャンプーやブラシをを使っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

シャンプーをしてブラッシングをしてあげると確かに毛が柔らかくなり、毛触りが良くなります。

何の異常もないときには大変便利なものですが、脱毛が見られるようになったら一度控えてみてください。

一概にシャンプーだけが原因とは言えませんが、極力刺激を与えないことが大切です。

また、普段ブラッシングを行っている場合はそれも控えた方が良いでしょう。

ハムスターは本来自分で毛を舐めてキレイにしていますから、不潔な場所に入って汚れていない限りは、そんなに神経質にならなくても大丈夫です。

大丈夫そうなら放置も

脱毛が一時的なものであれば心配要りませんが、長期に渡って範囲が広がってくると心配になるのは当たり前のことです。

しかし、当のハムスターは脱毛していようが、こちらの心配などお構いなしにいつも通りの生活を送っていませんか?

でも、それが一番大事なことです。

回し車で遊び、いつも通りのエサを食べて、トイレで砂浴びして、よく眠る、そして飼い主さんの愛情があれば、ハムスターは十分なのではないでしょうか。

原因が特定できればその治療をする、でもストレスが溜まって余計ひどくなるようなら止めてみる、これは飼い主さんにしかできない決断です。

同時に、ハムスターの持つ自然治癒力に任せて、根気よく見守り続けることも飼い主さんにしかできない立派なケアです。

ハムスターに脱毛のケアを任せてあげることも大切

小さな体のハムスターにとって、何の疾患にしても治療というのは大変なストレスになります。

今回は脱毛に関して書きましたが、脱毛に限らず、病気があれば治してあげたいと思うのは当然のことです。

しかし、決して長くないハムスターの一生を思うと、一度立ち止まってみて、治療の他に大事なことはないかと考えてみることも大事なことです。