ハムスターの顔も小さくて目がクリクリ大きくて、鼻が小さくて愛らしいあの顔が可愛いと思っている人は結構いると思います。
特に食べ物をほっぺたに入れたまん丸の顔には本当に癒されます。
みなさんは、そんな可愛いハムスター頬袋がどのようなものかご存じですか?
そこで、ハムスターの頬袋がどのような構造になっているのかご紹介します。
ハムスターの顎は外れている。
動物は、みな顔があって骸骨があってと想像しますよね。
実はハムスターのあごの関節は外れた状態になっているのをご存知ですか?
そのあごの関節が外れた状態のところに、耳の後ろから口までの粘膜が凹んでいるのですが、そこがハムスターの頬袋になります。
頬袋は肩まであるので、体の割にはかなり大きな袋となります。
他の動物には無いすごく特殊な形をしている動物ということがわかりますよね。
頬袋のある身近な動物は今のところ、ハムスターだけと言われています。
伸縮性のある頬袋
口の中に食べ物を入れていない状態のハムスターは、ねずみの顔によく似ていて鼻がとんがっていて細身の顔をしています。
しかし、食べ物を入れていくとみるみる大きく膨らんでほっぺたがパンパンになって、はちきれんばかりの大きな顔になります。
頬袋は伸縮性があり、一番大きく膨らんだ状態で体の3分の1ほどの大きさになります。
ひまわりの種でいうと10個前後、剥き身の種だと70個以上も入ったりします。
どんどん入れていくと見ているほうがドキドキするくらい入ります。
中には毛が生えている
ハムスターの頬袋の中は、種類にもよりますが、内側には毛が生えていてフカフカしています。
普段は、口の中に食べ物を蓄え、自分の巣などに持っていったり砂に埋めたりして、口から出すといつもは食べ物を入れていない空っぽの状態が通常の状態です。
口の中に入れたひまわりなどはベタベタしていて、唾液でタップリです。
唾液をつけることで「自分のえさだよ」と知らしめる意味合いがあるので、人間からみると汚く思えてしまいますが、ハムスターにとったら、当たり前のことです。
口につめすぎると痛くなって、自分でほっぺたを押しながら中身を出します。
そんなしぐさも可愛いですよね。
頬袋は食べ物を保存するためにある
ハムスターは自然界に生きている動物ですよね。
特に林や森に生息している動物です。
リスなども同じなのですが、大切な食べ物を見つけると保存する動物です。
その食べ物を確保するのにハムスターには頬袋がついています。
どんぐりやひまわりなどを見つけたときに、沢山持って帰れるように頬袋にギリギリまで入れます。
そして巣穴に戻って食べ物を保存の為に、砂に埋めたり隠したりするのです。
例えば、そういったどんぐりやタネなどを食べるハムスターに、お菓子などの人間の世界のものを食べさせるとどうでしょうか。
自然界には無いものなのでハムスターの体が対応しません。
頬袋に張り付いてしまって取れなくなり、そこから炎症を起こして、ひどい場合には壊死してしまいます。
なるべく自然界に近いご飯が、一番ハムスターにとってもよいことですよね。
大切なものを入れるのが頬袋
ハムスターにとって頬袋は、ご飯を運ぶお盆やカバンのような役割をもっていますが、食べ物意外にも、大切なものを運ぶときに使います。
例えば、地震や身に危険を感じたとき、ハムスターは木の実も運びますが、もし出産を終えたハムスターの場合は、頬袋に赤ちゃんを入れて運びます。
驚いたときなど、このようなしぐさが見られるときがありますが、とても頼もしいですよね。
頬袋に入れているのは、不安に感じているから
基本は、口の中はからっぽで、えさを必要としたときにえさを口の中に入れて巣に運び、確保してから口の中を空っぽにするといった日常がハムスターの習慣です。
しかし、たまに口の中に食べ物を入れっぱなしのハムスターもいます。
これはどういった心理なのでしょうか。
ハムスターにとっては、生きるために必要な食べ物は、必死に守りぬかなければいけません。
自然界では、えさがなかったら死ぬしかないのです。
口から出さないというのは、「守っている」「逃げないといけない」などの緊張状態や、えさに対してとられてしまうといった不安な感情を抱いている場合があります。
人間界とは違って自然界はとても厳しいところなのだということも、こういった行動で学ぶことができます。
頬袋はハムスターの知恵
ハムスターは頬袋があって、食べ物をいっぱい詰め込んで大事そうにしている姿をみると、可愛くて胸がキュンとしてしまいますよね。
でも、その頬袋のことに注目してみると、今まで知らなかったハムスターの骨格のことやどれぐらい入るのか、またどうして頬袋に入れるのかなどの生態がわかると、ハムスターにイメージがまた違って見えてきますよね。
可愛さの中に、自然界の厳しさを身近に学べるということも勉強になりますよね。