普段は毛によって見えないうさぎの皮膚ですが、私たちが思っている以上にデリケートにできています。
生活のいたるところに皮膚病となる原因が隠れていて、油断していると大切なうさぎを苦しめることになっていまいます。
うさぎの皮膚病の原因としてよく知られているものを、ここでいくつか確認してみましょう。
細菌や寄生虫による感染
細菌や寄生虫による感染は、うさぎの皮膚病の原因として多く見られます。
皮膚が赤く腫れあがったり、炎症したりしているなら、何らかの病原菌がそこにいると疑いましょう。
目やお尻などある程度汚れやすい部分がそのままになっているうさぎに発症しやすく、長い時間放置していると膿瘍にまで進行する恐れがあります。
肥満であったり歯が伸びすぎたりしている場合、排泄物や涙が付着しやすくなり、結果的に細菌の感染を許しやすくなることもあります。
また細菌の感染は皮膚にカビが巣くう原因にもなりえます。
種類によっては人間に害となるものもあるので、特に早期発見が重要となります。
かぶれたり赤くなっている部分が増えると、免疫力の低下や血行不良などにもつながります。
細菌の感染を疑ったなら、すぐにうさぎの体を確認し、特に排泄物や目に異常がないか、キレイに保たれているのかを観察してください。
不衛生な飼育環境
うさぎが毎日生活しているケージや寝床、エサ入れや給水機の掃除は徹底して行っているでしょうか。
不衛生な飼育環境は、それだけでうさぎの皮膚を病気にする原因となります。
排泄物が体に付着することで細菌感染したり、腐った食材に虫がついてそこからうさぎの皮膚にうつることもありえます。
不衛生な環境で心配になってくるのは、湿気の問題です。
うさぎの皮膚に過度な湿気は天敵となり、水分を含んで濡れ続ければ毛が抜けたり炎症したりと様々な症状を引き起こします。
涙やよだれが多く出るうさぎは、湿気による皮膚炎を併発しやすくなるので気をつけましょう。
ケージ内はつねに清潔にし、水分の多い果物や野菜をそのままにしないようにしてください。
よだれや涙はすぐに拭きとり、原因が特定できないならすぐに信頼できる獣医に相談しましょう。
ストレスによる毛抜き行動
皮膚にかゆみがあるとき、もしくは過剰なストレスに悩んでいるとき、うさぎは自分で自分の毛を抜き、それによって皮膚が傷ついてしまうこともありえます。
傷ついた部分に細菌が感染するとさらに症状が悪化し、うさぎの精神的な負担も増してしまいます。
また毛を飲みこむことで、毛球症になることもあるので別の危険も出てきます。
うさぎが頻繁に自分の体を舐めたり噛んだりしているなら、生活環境を見直し、細菌の感染を防ぐために衛生環境も確認し直しましょう。
毛抜き行動を治すには、ストレスの根本的な原因を探り、うさぎから自主的に止めてもらわなくてはなりません。
無理やり押さえつけたり、叱ったりするのは余計なストレスを生むだけなので控えましょう。
飼い主として心のケアに努め、根気よくストレスの改善を目指してください。
ツメダ二による被害
うさぎの皮膚にツメダ二が寄生することで、かゆみやフケが発生し、やがて脱毛していってしまうことがあります。
特に背中からお尻にかけてフケが大量に見られるなら、ツメダ二による被害を疑い、すぐに病院へ行って治療を行いましょう。
治療には殺ダニ剤を使うのが一般的ですが、市販のものはうさぎにとって有毒になるものもあるため、自己で判断せずに必ず獣医の指示に従うようにしてください。
別の個体と一緒に飼っている場合、ツメダ二が広がっていってしまうことがあります。
また飼い主が外で触ったものからの感染もありうるので、ツメダ二を完全に予防することはかなり難しいです。
免疫力の低下やストレスが引き金となって発症することが多いので、常に健康で清潔な暮らしをうさぎにさせてあげることが、一番の予防となるでしょう。
足の裏に見られる症状
うさぎの体重を支えている足には常に負担がかかり、普段は見えない分気づかないうちに皮膚炎が進行していることがあります。
特に後ろ足は体重がかかりやすく、毛も薄くなりやすいため注意が必要だといえるでしょう。
足の裏に赤みが帯びてくるとやがて腫れ、最悪の場合は歩行が困難なほど損傷してしまいます。
抱っこが苦手なうさぎはつい確認を怠りがちですが、定期的に足裏の状態はチェックしておくことをオススメします。
ケージが金網でできているものだと、足裏への負担が増大して皮膚が傷つきやすくなります。
うさぎが休める足場を作るか、足裏にダメージが少ないプラスチックのタイプに買い換えるなどの対策を取りましょう。
運動不足などによって足裏が循環不全を起こすこともあるので、定期的な運動も予防の一つとなります。
皮膚病の早期発見と速やかな治療が、うさぎの運命を分ける
うさぎが生きている限り、皮膚病になるリスクをゼロにすることはできません。
どれだけ衛生面に気をつけていても、思わぬところからの感染や、外傷が発症することがあるでしょう。
そういったとき、いかに早く発見ができるか、そしてすぐ治療のために動くことができるかで、うさぎのその後が大きく変わります。
飼い主として、皮膚病に対する意識は常に持っておくようにしましょう。